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2017.12.05更新

最近公刊された面会交流に関する裁判例(東京地裁立川支部平成28年2月5日判決)をご紹介します。
 本件では,調停離婚した元夫が,子の親権者となった元妻に対して,子との面会交流を認めないのは父子の面会交流権の侵害であり,不法行為であるとして損害賠償を求めて争いました。
 当時,元夫は,面会交流を求めて審判手続を申し立てており,第1審では,第三者機関立ち合いの下の面会交流の実施が命じられていたものの,元夫が即時抗告をしたため,審判は未確定のままという状態でした。
 そこで,面会交流審判未確定の段階でも元夫の面会交流権が侵害されたとして,損害賠償請求が認められるのか問題となりました。
 この点について,裁判所は,面会交流の審判が未確定であるうちは,面会交流権は,抽象的なものに過ぎないので,面会を認めないとしても元夫の権利を侵害するものではないと判断しました。
 この裁判例からすると面会交流権の侵害が認められるには,少なくとも合意,あるいは,確定した審判などによって,面会交流権が具体的な権利とならなければ,面会を拒否されたとしても不法行為は成立しないといえそうです。

 

 I am going to introduce a family case about visitation rights which was recently published (Tokyo District Court, Tachikawa branch, 2015 (Wa) 2420).
 In this case, an ex-husband filed a claim against his ex-wife for damage. The ex-husband asserted that his ex-wife had infringed his vitiation rights.
 Before the case, the ex-husband filed for visitation rights. In the first trial of the visitation rights case, the family court judged that the ex-husband had visitation rights under the conditions where he could meet his child in the presence of a third party. However, the ex-husband made an immediate appeal. Because of the appeal, the judgement of the first trial was still pending.
 In these situations, the issue was whether the ex-wife infringed the ex-husband’s visitation rights while the judgment of the visitation rights was still pending.
 The court concluded that the visitation rights, while the judgment of the case was still pending, were too abstract to judge that the rights were infringed.
 According to the case, it can be said that if a party demands damages for infringement of visitation rights, the judgment of the visitation rights must be established or at least there must be an agreement of visitation rights between the couple.

弁護士 藤井 直孝

 Naotaka Fujii

2015.12.03更新

 養育費・婚姻費用とは,親族間の生活保持義務(自分の生活を保持するのと同程度の生活を被扶養者にも保持させる義務)の一種とされています。貧しきときも富めるときも,互いに分かち合うことが求められる義務と言えるでしょう。

 しかし,人生においては,養育費等を取り決めた当時予想もしなかった病気・リストラ・新しい家庭の形成などの出来事が生じる場合があります。そのため,養育費等を取り決めた当時と比較し,一定の「事情の変更」が生じた場合には,養育費等の減額を求めることができるとされています。

 では,どのような「事情の変更」がある場合に,減額が認められるのでしょうか。

 最近公刊された婚姻費用に関する裁判例(東京高裁平成26年11月26日決定 判時2269号16頁)は「その審判が確定した当時には予測できなかった後発的な事情の発生により,その審判の内容をそのまま維持させることが一方当事者に著しく酷であって,客観的に当事者間の衡平を害する結果になると認められるような例外的な場合に限って認められる」と判断しました。

この裁判例に基づけば
 ① 予測できなかった後発な事情の発生であること
 ② 従前の取決めを維持することが支払義務者に著しく酷な状態にあること
 ③ 客観的に当事者間の衡平を害する結果となっていること

の要件を満たす限定的な場合にのみ,減額ができることとなります。

 具体的には取決めをした当時予測できるような事情(例えば相当程度の退職金が支給される定年退職等)を理由とする減額申出は認められない可能性があります。他方で,養育費についていえば,再婚による義務者側の扶養家族増加などは,減額事由として認められる可能性があります(東京家審平成2年3月6日,山口家審平成4年12月16日等)。

 また,例えば収入が減少した場合でも,その減少幅が「著しく酷」と評価できる程度である必要であり,また,酷な状況に至ったことにつき,義務者に責めがある場合(無謀な借金,理由なき退職等)などは,減額が認められない可能性があります(福岡家審平成18年1月18日等)。

 さらに,客観的生活状況等から権利者側の生活への影響が大きいと判断される場合(例えば権利者側が無収入)にも,減額が否定される可能性があります。

 養育費等の支払は,親・夫として当然に履行すべき義務です。
 しかし離婚を急ぐあまり,拙速に取り決めてしまうと,事後的にその内容を変更することは非常に困難となります。自身のライフプランを見据えた慎重な検討・対応が必要です。

弁護士 荒木 邦彦

2015.09.25更新

 離婚を考える場合、話し合いがまとまらなければ裁判所で手続きを行うことになる、ということを念頭に置きましょう。

 

 裁判所は証拠の世界です。初めて会う裁判官にこちらの言い分を理解してもらうには証拠が不可欠です。

 

 離婚に際して問題になるのは、離婚原因の有無、財産分与、慰謝料、年金分割であり、未成年の子がいる場合は、これらに加えて親権、養育費ですので、これらに関する資料を集めてください。

 

 特に、相手と自分の収入に関する資料(源泉徴収票や確定申告書など)、財産に関する資料(預貯金通帳、証券会社の報告書、保険証券、車検証など)は是非集めておきたいところです(もちろんコピーで結構です)。

 

 浮気や暴力があったときは、その資料もなるべく集めます。浮気については典型的なものは興信所の調査報告書(たいていかなりの費用が掛かります)ですが、最近は携帯電話でのやり取りが決定的な証拠になることも少なくありません。暴力については医師の診断書が典型的です。たいていの怪我は時間が経つと治ってしまって証拠がなくなってしまいますので、受傷したら躊躇せずにすぐに受診することが大事です。

 

 そこまでしなくてもと思うかもしれませんが、揉めてから集めようとしても相手のガードが固くなって収集は困難になります。話し合いをするにも、具体的な資料を確保しているのとそうでないのとでは雲泥の差があります。

 

 離婚を考えたら、いきなり相手に斬り込むのではなく、まずは冷静にせっせと資料を集めましょう。その努力は必ず生きてきます。

弁護士 中田 貴

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