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2016.05.12更新

 少子化と超高齢社会を迎え、いわゆる「終活」(人生の終わりのための活動)がブームになっています。「終活」の内容として、生前に死後の遺産の分配等を定めておく遺言書の作成が推奨されています。遺言書には、遺産をめぐる紛争を予防するという効果も期待でき、弁護士としても事案によっては作成をお勧めすることがあります。もっとも、ただやみくもに遺言書を作成すれば良いというものではありません。相続に関する基礎的な知識を押さえた上で遺言書を作成しないと、後に思わぬトラブルを招くことがあります。まずは相続の基礎を押さえておきましょう。

 

 相続を考える上で最初にチェックすべきは、相続人は誰か(相続人の確定)です。
 相続人になりうるのは、配偶者、子、直系尊属(父母や祖父母など、自分より前の世代で、直通する系統の親族)、兄弟姉妹ですが、誰がどのような順番で相続人になり、その法定相続分はどれくらいかは民法で規定されています。具体的には以下の通りです。

 

(1) 常に相続人になる人:配偶者。
            他に相続人がいる場合の法定相続分は以下の通りです。
            ・他の相続人が子の場合は、2分の1。
            ・他の相続人が直系尊属の場合は、3分の2。
            ・他の相続人が兄弟姉妹の場合は、4分の3。

 

(2) 配偶者のほかに相続人になる人
 ①第1順位:子。被相続人に配偶者がいる場合、子の相続分は2分の1。
 ②第2順位:直系尊属。被相続人に配偶者がいる場合、直系尊属の相続分は3分の1。
 ③第3順位:兄弟姉妹。被相続人に配偶者がいる場合、兄弟姉妹の相続分は4分の1。

 

※第1~第3順位というのは、子がいる場合は子が相続人になり、子がいない場合には直系尊属が相続人になり、子も直系尊属もいない場合には兄弟姉妹が相続人になる、という意味です。

※相続開始時に子が死亡していても、その子(被相続人から見て孫)がいれば、その子(孫)が代襲(だいしゅう)して相続人となります。子も孫も死亡していても、曾孫がいれば、曾孫が代襲して相続人となります。
※直系尊属で親等(しんとう)の異なる者の間では,親等の近い者が相続人となります。例えば、両親と祖父母が存命の場合、両親が相続人となります。
※相続開始時に兄弟姉妹が死亡していた場合、その子(被相続人から見て甥または姪)がいれば、代襲して相続人となります。なお、兄弟姉妹も甥姪も死亡していた場合、甥姪の子は代襲相続人とはなりません。
※同順位の相続人が複数いる場合は頭割り。ただし、兄弟姉妹については、父母の一方のみを同じくする者は双方を同じくする者の2分の1。なお、非嫡出子(法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子)の相続分差別は平成25年の最高裁判例で違憲とされ、同年の民法改正で差別条項は撤廃されました。

 

図1

  

 遺言書を作成する際に、相続人になるのは誰で、その相続分はどれくらいかを念頭において作成すると、より合理的な内容とすることができるでしょう。もっとも、離婚や再婚、養子縁組など、身分関係に変動がある場合は、相続人の確定に困難を伴うことがあります。また、遺言書を作成する場合には遺留分を考慮しておくのが無難ですが(遺留分については別の機会にとりあげてみたいと思っています)、誰にどれくらいの遺留分が認められるかの判断は難しいことがよくあります。判断に迷うことがあった場合などは、当事務所にお気軽にご相談下さい。

弁護士 中田 貴

2015.09.07更新

 先日、第二東京弁護士会が主催する成年後見の研修に参加してきました。
 成年後見とは、ご本人の判断能力が低下したときに、ご本人に変わって財産管理などをする人を裁判所が選任する制度です。介護保険制度と両輪となるもので、制度導入から15年が経過し、高齢者保護のための制度として定着しつつあります。私も成年後見人をしていますが、単なる財産管理にとどまらず、人の健康や命に向き合う仕事だと実感させられます。
 連日報道されていますが、振り込め詐欺や送りつけ商法など高齢者をターゲットとした犯罪や悪質商法はあとを絶ちません。特定の親族が高齢者を囲い込んで食い物にしてしまうという話もよく聞きます。当然のことながら判断能力が低下していればいるほどこれらの被害に遭いやすくなります。そのような被害から高齢者を守るものとしても成年後見制度は大変有用な制度と言えます。
 例えば、父親の判断能力が低下したのをいいことに長男が我が物顔に父親の預貯金を引き出して使っており、なんとかそれをやめさせたいが、自分が成年後見人になるのは角が立ちすぎる、ということもあると思います。そのようなときは、裁判所に父親の成年後見を申し立て、弁護士を成年後見人に選任してもらうということが考えられます。弁護士が成年後見人に就任すれば、ご本人(父親)の財産管理は全て弁護士が行いますので、長男は手が出せなくなります。事情によっては引き出した預貯金の返還を長男に求めることも考えられます。
 また、将来自分の判断能力が低下した場合に備えて、予め信頼できる方に後見人になってもらうための契約をしておくこともできます(任意後見制度)。死後の財産処分を自ら決定できる遺言とともに、元気なうちに検討しておきたい制度です。
 祖父母や父母、自分自身の判断能力の低下という問題は誰にでも起こりうることです。そうなった場合でもなるべくその人らしく生きるために、成年後見や任意後見を利用することを考えてみてはいかがでしょうか。
 成年後見を申し立てたい、あるいは、任意後見契約を締結したいという方はもちろん、知識として持っておきたいから相談してみたいという方もお気軽にご連絡下さい。

弁護士 中田 貴

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