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2015.12.01更新

 「決闘」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。私は、宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島での対決や、西部開拓時代のアメリカにおけるガンマンの対決を、まず思い浮かべます。いずれにしても、決闘という言葉から想定されるイメージは、古い時代に行われていた、特定のルールに基づく、1対1の私的な対決ではないでしょうか。

 

 決闘が、現代社会において法的に認められていないことは常識です。しかし明治時代には決闘是非論が巻き起こり、「文明の華」として肯定する主張や、「野蛮の遺風」として否定する主張など、様々な主張が展開されました。最終的には、明治22年(西暦1889年)、公衆の秩序維持を目的として「決闘罪ニ関スル件」という法律が可決され、決闘は禁止されました。そして、この法律は、現代でも効力を有しており、決闘を行った者は、同法律に基づき処罰されることになります。

 

 ここで、同法律上処罰の対象となる「決闘」とは、判例によれば、「当事者間の合意により相互に身体又は生命を害すべき暴行をもって争闘する行為」であるとされ、1対1で行われることは要件となっておりません。そのため、タイマンと呼ばれる1対1の対決のみならず、集団対集団の対決や、1対集団の対決についても、決闘罪は成立することになります。
 また、同法律は、決闘を挑み、または応じる行為についても処罰の対象としています(決闘挑応罪)。そのため、実際に決闘行為が行われなくても、決闘挑応罪が成立することがあります。

 

 このように、「決闘罪ニ関スル件」は、1対1の決闘行為にとどまらず、広く処罰対象を規定しておりますが、同法律が実際に適用されることはあまりなく、時折、暴走族等若者同士の抗争などに関して適用されるにとどまるようです。

弁護士 平岡 広輔

2015.11.30更新

 先日、大沢樹生さんが息子さんとDNA鑑定をした結果、家庭裁判所において親子関係が存在しないとの判決が出されたとのニュースが流れました。

 男性にとって、子どもが自分の子供であるかどうか、たいへん重大な問題であり、大沢さんはどうやら子どもが大きくなるにつれて、外見などからも自分の子供であるかどうか、疑問を感じていたようです。

 ところでもし、男性が自分の子どもであるかどうか疑問が生まれ、DNA鑑定をしたところ、不幸にも親子関係が認められないという結果が生じた場合、常に法律上、親子関係の不存在請求が認められるのでしょうか。

 答えはNOです。仮にDNA鑑定において父と子どもの親子関係がないという結論が出たとしても、法律上の親子関係が続くことがあるのです。

 この点について認めた最高裁判例があります。

 平成26年7月17日に出された判例において、最高裁は夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり、かつ、子が現時点で夫の下で監護されておらず、妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても、子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではなく、特別な事情もないとして、親子関係不存在請求を認めませんでした。

 このように、民法上、婚姻から200日経過後、離婚後300日以内に生まれた子どもについては、夫の子どもであると推定され、この推定を覆すには原則として嫡出否認の訴えという方法となりますが、この嫡出否認の訴えは、父からしか申し立てることが出来ず、しかも申立が可能な期間も子どもの出生を知ってから1年と極めて限定されているのが特徴です。

 ただ、上記の最高裁判例で指摘されていますが、この200日以降、300日以内に生まれた子どもの推定は、子どもの懐胎時期に、すでに事実上別居していたり、遠隔地に居住しているなどの特別な事情があれば、嫡出子としての推定が及ばず、この場合には嫡出否認の請求ではなく、親子関係不存在確認の訴えで親子関係を否定することが出来るとされています。この親子関係不存在の訴えについては、特に申立可能な期間制限もなく、父だけでなく母や子どもからも訴えを起こすことが可能です。

 今回、大沢さんの件では、この200日以降という条件に当てはまらず、200日以内に生まれた子どもであるとのことですので、大沢さんの嫡出子であるとの推定がされず、親子関係不存在の訴えが認められたようです。

 親子関係が認められるかどうかについては、上記の通りDNA鑑定の結果だけでなく、法律上の嫡出子としての推定の問題がありますので、もしその問題でお悩みの方は専門家にご相談ください。

弁護士 中村 仁志

2015.10.30更新

 日産自動車、トヨタ自動車に続き、ホンダが、高速道路での追越しや先行車への追随などの機能を市販車に搭載する方針を決めたとの報道がなされました。海外においては、米ゼネラル・モーターズが、高速道路での自動運転機能を搭載した車両の発売を予定しており、米グーグルは、ハンドルやブレーキのない自動運転車を開発しているようです。
 このように、自動運転車の開発は世界的な潮流であり、そう遠くない将来、自動運転車が公道を実際に走行するものと思われます。

 

 しかしながら、自動運転車に対応した法令は、現在のところ整備されておりません。

 

 例えば、自動車の運転方法については道路交通法が規定しておりますが、人間が運転することが前提とされており、機械が自動運転することは想定されていません。そのため、機械による完全な自動運転を許容するのであれば、道交法を改正する必要があります。

 また、自動運転車には、事故の減少という効果が期待されておりますが、事故が完全に無くなることはないでしょう。自動運転車による事故が発生した場合、賠償責任を負うのが、自動運転車に情報を入力した人間なのか、自動車メーカーなのか、あるいはその双方なのかという点も、法令上明らかではありません。

 

 このように、法令が未整備であることに鑑み、警察庁は、平成27年10月15日、庁内に有識者を交えた検討委員会を設置すると発表しました。委員会には、刑法や行政法、工学などの専門家が参加し、法令上の課題や事故時の責任問題などが検討されるようです。

 

 自動運転車に関する法令の整備に関しては、引続き、その動向を注視したいと思います。

弁護士 平岡 広輔

2015.10.28更新

 近頃,「鉄道の駅構内においてキャリーバックを曳いていた者の歩行者に対する不法行為が認められた事例」という珍しい裁判例に接しました(判例時報2267号63頁)

 

 駅中や町中では,老若男女問わずキャリーバックを使用している人々をよく見かけます。

 キャリーバックは多くの荷物を少ない労力で運べる非常に便利な道具ですが,他方で,視界が及びにくい足下付近を移動するため,周囲の人にとっては見つけにくい物体であり,また,曳いている人にとっても,自身の視界外にバックが位置するため,どうしても注意が及びにくいという特徴があります。実際,キャリーバックに関連する事故が多く発生しており,国民生活センターにおいても,キャリーバック使用時の注意喚起等を行っているところです。http://www.kokusen.go.jp/kiken/pdf/294dl_kiken.pdf

 

 本件は,駅構内通路の曲がり角部分において,被告が曳いていたキャリーバックに,対向進行してきた高齢男性である原告が接触し転倒しケガを負ったとして,原告が,被告に対し,ケガの治療等を請求した事案です。

 裁判所はキャリーバックを使用した被告に対し「駅構内のような人通りの多い場所でキャリーバックを使用する場合には,曳いているキャリーバックが他の歩行者の歩行を妨げたり,それにつまづいて転倒させることのないよう注意すべき義務」があることを認め,当該注意義務違反の結果,本件事故が発生したと認定しました。

 他方,原告についても「歩行中は前方及び足下に注意し,特に駅構内のような通行人の多い場所では,対向の歩行者が大量の荷物を持っていたり,キャリーバックを曳いていることは当然予測できることである」として,本件事故における原告側過失割合を25%と認定しました。

 

 各歩行者が負う注意義務の内容は裁判例が示すとおりであろうと思います。ただし,本件判断における過失割合は,あくまでも曲がり角という視認性に問題ある場所での事故であることや原告が高齢者であることを踏まえた個別的判断であり,同種事故であっても,発生時間帯,通行量などの事故発生場所の客観的状況,キャリーバックの形状,各人の具体的歩行態様,被害者・加害者の年齢や身体的状況等によって,過失割合が大きく変わる可能性があります。この裁判をもって,直ちに,キャリーバック接触事故は,怪我をした歩行者の過失割合が低いのが当然と考えることはできません。この点,注意が必要です。

 

 なお,会社の営業マンが営業資料をキャリーケースに入れ営業先に向かう途中に本件と同種事故が起きてしまった場合,会社は,被害者への賠償責任を負うのでしょうか?
 また,対向歩行者が接触したのが,キャリーケースではなく,高齢者の杖や松葉杖の場合やベビーカーだったとしたら,注意義務違反の内容,過失割合の結論は異なることになるのでしょうか?

 

 機会がありましたら,改めて検討結果をお知らせしようと思います。

弁護士 荒木 邦彦

2015.10.16更新

 店で支払を済ませた客が、多く手渡された釣り銭を持ち去ったところ、後日逮捕された。このようなニュースを先日耳にしました。釣り銭が多く手渡されることは、日々買物をする中で、そう珍しいことではありません。そこで、本来よりも多額の釣り銭を受領する行為、又は、多く手渡された釣り銭を返還しない行為に関して成立する犯罪について、考えてみたいと思います。

 

 【店員から釣り銭を手渡される前に釣り銭が多いと気付いたが、黙って釣り銭を受領する場合】

 この場合、詐欺罪(刑法246条1項)が成立します。

 

 店員から釣り銭が手渡される前に、釣り銭が多いと気付いたにも関わらず、黙ってこれを受領する行為については、釣り銭が多いことを店員に告知する義務に違反することから、不作為による詐欺罪が成立します。客が告知義務に違反した結果、店員が騙されて釣銭を交付したということになるのです。

 なお、判例が不作為による詐欺を認めた他の事例としては、誤った振込による入金であることを知りながら、それを秘して預金の払い戻しを受けた事例があります。

 

 【店員から釣り銭を手渡された後、自宅に帰ってから釣り銭が多いと気付いたが、これを返還しない場合】

 この場合、詐欺罪は成立しません。

 

 刑法246条1項の詐欺罪が成立するには、店員が騙されて釣銭を交付する、という関係が必要ですが、客が釣銭を手渡された後に、自宅で多いことに気づいた場合には、この関係がありません。法律的には欺罔による処分行為がないということになります。したがって、刑法246条1項の詐欺罪は成立しません。なお、同条2項による詐欺罪も、店員による債務免除などの処分行為がありませんので、成立しません。したがって、客が釣銭を手渡された後に自宅で気づいた場合には、詐欺罪は成立しません。

 もっとも、この場合には、占有離脱物横領罪(刑法254条)が成立します。
最終的に詐欺罪にならないとしても、占有離脱物横領罪にはなりますし、詐欺罪の容疑で逮捕されることはあり得ますので、多すぎるお釣りに気づいたら直ちに返還すべきことはいうまでもありません。

弁護士 平岡 広輔

2015.10.08更新

 2015年9月,クロザルが撮影した写真を写真集として出版した写真家と出版社に対し,動物愛護団体が,アメリカで,クロザルの著作権を侵害しているとして訴訟を提起したとのニュースがありました。

 

 記事によると写真家であるDavid氏がインドネシア・スラウェシ島で撮影をしていた際に,野生のクロザル(絶滅危惧種)がDavid氏のカメラを奪ってガチャガチャといじっている間に,自撮りするなどしたことから,絶滅危惧種である貴重なクロザルの写真が撮れたため,それらをDavid氏の写真集として出版したところ,動物愛護団体がクロザルの撮影した写真の著作権はクロザルにあるとして訴訟を提起したようです。

 

 この件について,アメリカの著作権局では,動物が創作した作品に著作権は認められない,動物が撮影した写真は著作物ではないという見解を示しているようです。

 

 日本でも,今のところ,著作物は,人によって創作されるものであるという理解を前提としておりますので,クロザルの撮影した写真は著作物ではないという結論になりそうです。

 

 しかしながら,著作物が人によって創作されるものに限定されるのかという問題や,あるいは,動物が自撮りした画像が著作物であるとした場合に,その著作権はカメラの所有者に帰属するのかなど,今回のクロザルの訴訟では,興味深い議論が展開されそうです。

 

 今後の訴訟の推移についても見守りたいと思います。

弁護士 藤井 直孝

2015.10.07更新

 現役のプロ野球選手が、野球賭博で金銭を賭けたことを理由に、球団から謹慎処分を受けたとの報道がなされました。刑法上の賭博罪が成立する可能性もあるため、球団は警察への届出も検討しているとのことです。

 もっとも、「負けた人のおごり」との約束の下、食べ物を賭けるようなケースは、そう珍しくはないでしょう。では、野球の試合結果に関し、金銭ではなく、缶ジュース1本を賭けた場合であっても、賭博罪は成立するのでしょうか。

 

 結論としては、賭博罪(刑法185条本文)は成立しないと考えられます。

 

 賭博とは、偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為をいい、囲碁や将棋などのように、当事者の技量に差がある場合でも、偶然的要素があれば賭博にあたると解されております。

 野球の試合には偶然的要素がありますので、野球の勝敗で缶ジュースという財物の得喪を争う行為は、形式的には賭博行為にあたると考えられます。

 

 しかし、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるとき」は、日常的娯楽の範囲内であり処罰するほどの違法性がないとして、賭博罪は成立しません(刑法185条ただし書)。

 「一時の娯楽に供する物」にあたるかについては、価格の僅少性と費消の即時性の両方を加味して判断されており、一般には、その場で直ちに費消する茶菓や食事等がこれにあたると解されております。

 

 したがって、野球の勝敗で缶ジュース1本を賭けたとしても、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるとき」にあたり、賭博罪は成立しません。

 

 なお、金銭そのものの得喪を争う場合は、その金額の多少に関わらず、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるとき」に該当しないとするのが判例ですので、注意が必要です。

弁護士 平岡 広輔

2015.10.02更新

 前回の私の投稿(平成27年9月9日の記事)ではマイナンバーについて書きましたが,最近見たニュースに関連して個人情報関連の記事をもう一つ。

 

 先日,ニュースを見ていたら,最近,亡くなられた方の遺族からの依頼で,死者が生前使用していた携帯電話やパソコンのデータを復旧させ,その中身を遺族らに引き渡すサービスが人気を呼んでいるという特集をやっていました。

 

 率直な感想としては,思い出をよみがえらせ,死者とのつながりを保ちたいというご遺族の気持ちはわかるものの,正直,自分が当事者となった場合を想像すると,(やましいことはないものの)自分の携帯やパソコン内のデータを自分のいないところで勝手に見られるというのには抵抗がありますが,全く気にならないという意見の方も多いようで,人によって意見が分かれるところのようです。

 

 ところで,こうした死者の情報を遺族が見る行為については,既に保護対象となる権利者本人が存在しないため,法律的にはこの行為が死者本人のプライバシーの侵害となることはありません。

 

 また,これと関連して死者の個人情報に関する法律上の扱いについてご説明すると,個人情報保護法においても保護の対象は「生存する個人」に関する情報とされているため,死者の個人情報は,同法によって保護される個人情報にはあたらないこととなります(その結果,遺族が死者のカルテの開示を病院に求めるようなケースでは,遺族であれば任意の開示に応じる病院がある一方,病院によっては死者の個人情報は同法で開示が義務づけられている個人情報にあたらないとの判断で,任意のカルテ開示には応じないところもあり,取扱が統一されていないようです。) 。

 

 では,こうした死者の個人情報・プライバシーについては法律上何ら保護されていないかというと,虚偽の事実を示して行われた場合に限られますが,死者に対しても名誉棄損罪は成立するため(刑法230条2項) ,ご遺族の告訴によって名誉棄損罪が成立する余地はあります。

 

 また,死者に関する情報の漏えい等によって遺族に損害を与えたといえる場合であれば,それは遺族に対する不法行為となるため,遺族が損害賠償を請求することは可能と考えられます。

 

 現代は,インターネットの普及等によって,故人に関する情報も拡散しやすく,ご遺族が不当な被害を受ける危険性も格段に高まっているのではないかと思います。
 そのような場合にも,早めに一度専門家にご相談頂ければと思います。

弁護士 横山 太郎

2015.09.28更新

 先日、従業員が社有車で交通事故を何回も起こしたので、ペナルティを設けたい、というご相談がありました。この点でお悩みになっている経営者・人事労務担当者の方も多いかと存じます。そこで、本件についてご回答致します。

 

 まず、会社の損害の有無にかかわらず、金銭的なペナルティ(罰、懲戒)を与えることができるかですが、会社がペナルティを与えて給与額を減額するには、労働基準法上の「減給」(労働基準法91条)の規定に従う必要があります。

 

 「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」のです。したがって1日分の平均賃金が1万円の従業員の場合、最大5000円までしかペナルティを与えられません。

 

 これでは額が小さすぎるという場合は、会社に生じた損害の求償を求めるという見地から、事実上のペナルティを設けることが可能です。
 もっとも社有車の場合、自動車賠償保険に加入しているはずであって、実際は、車両保険の免責金額(5万円や10万円程度)しか会社としての損害は発生しません。したがって、保険の免責金額が0の場合は、上記の減給しか行えません。

 

 保険の免責金額がある場合に、免責金額の全額の求償を従業員に求めることができるか、が問題となりますが、裁判例は否定的です。会社は従業員の働きによって利益を得ているのだから、従業員が起こした事故についても会社が責任を負担すべきであって、従業員への求償は一部に限られるという考え方です。
 したがって、従業員へ損害額の求償を求めるにしても、会社に生じた損害額の一部に限られます。

 

 次に、求償を求める場合に、予め求償する額を定めることが、労働基準法16条の「損害賠償額の予定の禁止」に該当するかが問題となります。しかし同条は、実損害額の多寡にかかわらず一定の損害賠償額を予定することを禁止したものであって、本件のように、実損害額の一部しか求償しないことまでも禁止したものではないと解されます。もっとも前述したとおり、従業員への求償は実損害額の一部に限られますので、予め定める求償額は、裁判所が認定するであろう実損害額の一部より低額であることが必要と解されます。

 

 最後に、求償を求める場合に、給与からの天引きが可能かどうかですが、この点は、従業員の同意があれば可能です。他方、従業員の同意なく一方的に天引することはできません。

 社有車の使用に際して、上記の求償制度を説明して、従業員から同意書を取っておくことで、給与からの天引きが可能となります。
 会社としては、求償額を少しでも多く取りたいというより、事故を起こさないよう慎重に運転してほしい、という願いの方が強いものと存じます。そのため、事故防止を図りつつ従業員に過酷になりすぎないよう、バランスの取れた制度設計が必要です。

弁護士 高橋 謙治

2015.09.25更新

 離婚を考える場合、話し合いがまとまらなければ裁判所で手続きを行うことになる、ということを念頭に置きましょう。

 

 裁判所は証拠の世界です。初めて会う裁判官にこちらの言い分を理解してもらうには証拠が不可欠です。

 

 離婚に際して問題になるのは、離婚原因の有無、財産分与、慰謝料、年金分割であり、未成年の子がいる場合は、これらに加えて親権、養育費ですので、これらに関する資料を集めてください。

 

 特に、相手と自分の収入に関する資料(源泉徴収票や確定申告書など)、財産に関する資料(預貯金通帳、証券会社の報告書、保険証券、車検証など)は是非集めておきたいところです(もちろんコピーで結構です)。

 

 浮気や暴力があったときは、その資料もなるべく集めます。浮気については典型的なものは興信所の調査報告書(たいていかなりの費用が掛かります)ですが、最近は携帯電話でのやり取りが決定的な証拠になることも少なくありません。暴力については医師の診断書が典型的です。たいていの怪我は時間が経つと治ってしまって証拠がなくなってしまいますので、受傷したら躊躇せずにすぐに受診することが大事です。

 

 そこまでしなくてもと思うかもしれませんが、揉めてから集めようとしても相手のガードが固くなって収集は困難になります。話し合いをするにも、具体的な資料を確保しているのとそうでないのとでは雲泥の差があります。

 

 離婚を考えたら、いきなり相手に斬り込むのではなく、まずは冷静にせっせと資料を集めましょう。その努力は必ず生きてきます。

弁護士 中田 貴

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